2020.03.11
化粧された利回り!新築アパートの詐欺的販売手法を暴く 後編
こんにちは、菅原です。
コロナウイルスにより様々な影響が出始めておりますが、、、
今回のブログは前回の続きです。
http://marble-estate.com/blog/%e5%8c%96%e7%b2%a7%e3%81%95%e3%82%8c%e3%81%9f%e5%88%a9%e5%9b%9e%e3%82%8a%ef%bc%81%e6%96%b0%e7%af%89%e3%82%a2%e3%83%91%e3%83%bc%e3%83%88%e3%81%ae%e8%a9%90%e6%ac%ba%e7%9a%84%e8%b2%a9%e5%a3%b2%e6%89%8b/
新築アパートの購入に向けて動き出した投資家さんの相談を受ける中で、新築アパートの販売会社による詐欺的な手法についての導入編を書かせていただきましたが、今回はその本丸に迫ります!
まずは、簡単に物件の情報を下記に記載します。
立地:埼玉県内・16号線の内側
金額:7,000万円程度
利回り:7%後半
構造:新築木造AP 1K×8世帯
完成後3ヶ月、現在満室稼働中
マイソクに記載の融資条件:自己資金1,000万円6,000万円借入 35年返済 金利2.3%
返済額約25万円、月間収支約25万円
もう少し利回りがほしいな!とも思いますが、土地の仕入れ値が高騰していた時期に仕込んで建てた案件で、業者が利益を載せ、かつ融資が付くギリギリの利回りを狙うとこのような金額になるな!と感じます。
では、詐欺的手法について見ていきましょう!
詐欺的手法1 融資想定銀行のすり替え
マイソクではO銀行の融資が想定されていたものの、事業計画では地銀の融資条件に変更。
借入金額:6,800万円 期間30年 金利1.6% 返済額約25万円 という条件に変更されていました。
借入予定金額がフルローンに近くまで変更されたものの、金利と期間を調整され、月間返済額をほぼ揃えてられており、ぱっと見では融資条件の変更に気づかれないようになっております。
そして、仮に物件価格に対してここまで融資を引けるのであれば、手出しの費用も少なく、CFが回る案件で買いたい意欲はさらに強まるでしょう!
詐欺的手法2 諸経費の過剰請求
諸費用項目で700万円が計上されていました。
一般的に不動産の購入では、物件価格の7%程度が諸費用としてかかります。仲介手数料の3%が一番大きな項目で、登記費用、銀行諸費用、火災保険などがかかります。
ただ、この物件は業者が販売用に施工した業者売主物件のため、仲介手数料は無料なはずです。
ではなぜ、物件価格の1割にも及ぶ諸費用が計上されていたのでしょうか?
「水道加入金・工事費用等」 3,000,000円
「仲介業者募集広告料」 1,000,000円
という項目の記載がありました。
既に完成済みで、満室稼働中の案件であるにもかかわらずです。
そしてこの両者を併せて約400万円(仲介手数料よりも高い!)
水道加入金・工事費用は、建物建設時に施主が当然にして支払う金額であり、プレビルドの案件であれば、諸経費として計上されておくべき項目でしょう。
むしろ計上されていないと、投資家さんにはコストオーバーランになり、資金繰りにも影響が出ます。
ただ、完成後の物件であれば、この金額は建物価格に含まれるべきもので、別計上で請求すべき金額ではないでしょう。
業者は建物代金に利益を載せ、さらにその上でしれっと水道接続金をまるまる請求して利益にしようとしています。
仲介業者募集広告料も同様に、客付けするコストは事業者が負担するべきです。
そして、入居者が入ることで家賃収入が発生しているのですから、そこで回収すべき項目でもあるでしょう。
そこで、投資家さんには、上記2点について質問をしてもらいました。
すると、、、
仲介業者募集広告料についての回答
「仲介業者への募集広告料については、弊社の新築物件においてはいずれの物件についても、1ヶ月分を仲介業者への募集広告、もう1ヶ月分を弊社のリーシングフィーとして頂いております。
あくまでも新築の物件を満室にするにあたっての必要経費となりますので、購入者様にご負担頂く形を採らせて頂いております。
(恐らく弊社以外でも、新築物件を販売する業者であれば、上記の認識のもと諸経費として盛り込んでいる業者が大半になるかと思います)」
悪びれる様子も一切なく、当然の権利だと主張しております。
投資家さんは、この金額を支払うのと同時に「期中家賃割引」という項目でも作って、
“新築物件ということで集客し、販売をしたので、新築時から引き渡し日までの賃料は投資家に帰属すべきものと考えます。”
などと書いて、家賃収入半年分くらい請求したらいいのではないでしょうか?
水道についての回答
「①物件による金額幅が大きい
②最終的な金額が他の建築費と比較して遅くなる(伴って、販売開始の時期が遅くなる)
上記二点の理由により、弊社では諸経費として計上させて頂いております。
(水道加入金、工事費用(道路掘削工事含む)については、工事原価にて計上しております)
A様の仰られる通り、通常は建築費に組み込んでいる業者様が大半かとは思いますが、上記二点の兼ね合いもあり、弊社では諸経費としております。
水道加入金・工事費用も工事費の一部となりますので、購入者様にご負担いただく形となります。」
(中略)
「また、本件は既に入居者が確定しておりますが、あくまでも新築の収益物件として販売させて頂いておりますので、工事中か完成・入居後かを問わず、同様に新築の物件としてお考え頂ければと思います。」
もはや日本語として崩壊しているので、全く理解できませんが、アパートの企画をし、土地の仲介と建物のコンサルティング費用で3%ずつ請求する業者もあるので、このような意味不明な日本語で追加費用を請求をしてくる業者は多いのでしょう!
物件価格の1割を追加で諸経費として計上すると、物件の利回りは7%を割ってしまい、超割高物件へと変貌を遂げます。
そして、マイソクで記載されていた、自己資金1,000万円の大半が、物件取得時の諸費用ではなく業者の利益として消えていきます!
融資が決まった投資家さんには、そもそも1,000万の手出しをすることに納得して融資打診もしたのだろうと押し切るつもりでしょう!
そういえば、先日楽待で、融資が通ってしまい、絶望した!だまされた!と顔出しで不正を告発していた女性がおりましたが、融資が決まったら押し切られるんでしょうね。。。
それにしても、騙して暴利をむさぼることしか考えない、ろくでもない業者はまだまだ多数いるようです。
皆様の投資の一助となりますと幸いです。
菅原
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