区分投資はやめましょう<後編>

こんにちは、マーブルの高野です。

区分投資はすべきではない理由の後編です。

前編では、私が実際に区分4戸保有した点について記載しました。以前の記事はコチラ

ざっくりと合計購入金額3,330万、投下自己資金約1,000万、年間税前利益約200万という状態です。

その後1年程で4物件すべて売却し、幸いにも自己資金1.8倍程の収益となったのですが、区分投資はリスクとリターンが見合わないと感じました。

投資終了して特に感じた区分投資のマイナス点は下記の2点です。

 

①投資規模拡大の邪魔になる

私は区分3物件で約2,300万程の融資を組んで投資をしました。

その後、個人の不動産投資が肌感覚で理解できたので、規模を拡大させるべく追加区分や1棟物件の検討を始めたものの、次々と金融機関に融資を断られる事態となりました。

積算評価が出ている物件や収益性の高い物件を持ち込んだ場合でも、「いやー、お客様がお持ちの物件の資産と負債のバランスがですね・・・」という具合に体よく断られる事を繰り返しました。

言ってみれば、たった2,300万円の融資で、しかもCFもちゃんと出ている物件です。

しかし、金融機関の評価は違うということを複数行の話を聞くうちに、初めて気が付きました。

土地の所有権がない(ごく一部の持分しかない)区分マンション=担保価値ゼロと認識している銀行があまりに多いことに。

収益不動産の「価値」=収益性とすれば、収益還元法で評価を出すのが一般的なのかなと思いますが、全くそんなことはありません。

現状でも大半の金融機関の考えは「不動産の担保価値=ほぼ土地の価値」という考えが基本にあるようです。土地至上主義というか。。

もちろん銀行により異なりますし、しっかりと建物の積算価値を見る金融機関もありますが、基本的な考えは変わらないように思いました。

 

区分購入時のバランスシート(BS)認識のギャップ:

私の認識は左、各種金融機関の認識が右(勝手な推定)です。

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私の状況で言えば、区分4棟が年間CF200万生み出していようが、私のバランスシートは「ただの2,300万円の負債」に近い存在になっているということです。

つまり、上記の金融機関さんの回答はこういうことです。

「いやー、お客様がお持ちの物件の資産と負債のバランスがですね・・・」=「いやー、2,300万円の債務超過の人に新規では貸せないよ

これは、金融機関が不動産というものをどのように評価しているのか、私がちゃんと理解できていなかったということです。

私は現在、AUM約20億円の不動産を保有しておりますが、数年前はたった2,300万円の融資で頭打ちになりかけていたのです。

区分数物件の投資で問題ないという方であれば気にする必要はないかもしれませんが、投資規模を拡大されたい方は気を付けないといけませんね。

買えば買うほど、BSが悪化しますから。

 

②投資成否が売却時のマーケット状況に依存

皆様は不動産業者サイトのレインズの画面を見たことがありますでしょうか。

区分は同じマンション内に過去の成約事例がいくつもあり、坪単価・表面利回り等の情報がレインズに掲載されるのが一般的です。こんな感じです。

 

Ex.中央区の某マンション、直近1年間の成約事例

 

そのため、業者のプライシングの差が生じにくく、その時形成されている相場のレンジで売買することになります。

居住用分譲マンション売買にも言えますが、これは売却時のマーケットリスクをそのまま取るということです。

また、特に築浅の区分は、毎月の管理費や修繕積立金が高いため期中のCFが薄くなり、売却時のキャピタルゲインが投資の成否を決める可能性が高くなりがちです。

区分は上記レインズにもあるよう事例比較が容易のため値付けに差ができにくく、売却時のマーケット情勢が売却価格に大きな影響を与えることから、投資時には先が読みにくくリスクの高い投資と言えます。

私のケースでは、区分4件で税前CFが約200万/年、期中は(税前の)ROE20%で回っていたというものの、売却価格一つで投資結果がガラっと変わる可能性が高かったということです。

私の区分投資が成功したのは、物件の目利きも一部あると思いますが(思いたい!?)、何より売却時のマーケットが良かった事に尽きると言えます。

 

一方、一棟収益物件投資の面白さの一つに「ユニークさ」という点があります。同じ物件が2つとない特徴があるため業者による値付けの差が生じ、「高く売れる可能性」や「安く買える可能性」が出てくるのです。

例えば売却時、収益性が低い築古物件でも、土地路線価が高いことで土地値が下支えすることで高値売却できる場合もあります。

販売方法のチャネルが多い点でも、やはり1棟物件の方が面白味があると思います。

 

その他、部屋が一つのため家賃回収が100か0か、自分の力で収益改善ができないなど、区分投資のマイナス点は色々とあると思います。

しかし、投資規模を拡大したいと考える人が区分を買う事のマイナスは上記2点がクリティカルな問題と、実際に投資して思いました。

 

いずれにせよ、結論は一つ。区分投資はやめましょう!!

 

みなさまの投資の一助になりましたら幸いです。

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マーブル 髙野