今回の台風で感じた、支店長の優しさ

こんにちは、マーブルの高野です。

先日の台風15号・19号は、収益物件として不動産をお持ちの投資家さんにとっても、大きな出来事だったと思います。

当社も、自社物件が各地にあるため被害状況の確認や、破損した部分の補修対応等で先週は大忙しでした。

幸い、当社の物件や過去に投資家さんに販売させていただいた物件に大きな被害はなく、少し安心いたしました。

 

一方で、今回の出来事は物件購入時の姿勢について、考えさせられるきっかけになりました。

ちょうど2年程前になりますが、当社が良く知っているエリア(北関東)で、下記の通り、とても良い条件の物件が売りに出ました。

・価格<積算評価

・平成中期、重量鉄骨、3F建て

・表面利回り15%オーバー

 

これは間違いなくフルローン近くで融資が付くだろうと判断し、さっそく、融資打診をすることにしました。物件の近くにあり、すでに懇意にしている金融機関に打診したところ、支店長から思わぬ回答がありました。

支店長「社長さん、この物件はウチでは融資できません!このエリアは、数年前にも同じ水害があり、大きな被害を受けているのをこの目で確認しています。いくら収益評価や積算評価が出ても、支店長としての判断で、融資することはできません。」

 

当時は、せっかく投資条件がそろった物件なのに、なぜこのような評価なんだろうかととても残念に思い、がっかりした記憶があります。

確かに数年前に水害があったが、それ以前は数十年被害はなかったはず。水害が発生しても、火災保険の特約である程度カバーできるはず。仮に水害が起こっても本物件のリスクリターンを考えると、投資するべきじゃないのか、としばらく考えていました。

結局その物件は、地元の建設会社に買われてしまい、当社は購入を逃す形になりました。

 

そして、今回の台風19号が発生。

自社物件の被害状況の吸い上げ等をしつつ、ふと以前に購入を逃したこの物件の現状が気になり確認したところ、愕然としました。

床上1m程度まで浸水し、1F部分は全く使えない状況になってしまったとの事。

※写真はイメージです。被災された皆様、ならびにご家族、ご関係者の皆様には謹んでお見舞いを申し上げます。

 

入居者さんの安否は問題なかったとのことですが、1Fの10部屋程度は半分水没。

設備関係も全て入れ替えないと貸せない状況になっているようで、ざっと見ても1部屋200万程度はかかるような感覚です。

 

仮に自社でこの物件を買っていた場合のことを考えると、本当に恐ろしいと思いました。とりあえず入居者に退去いただき、保険適用となり3,000万程が下りたとして、1Fすべてを復旧したとしても、入居者が集まる可能性・取れる家賃見込みは大幅に下がります。必然的に売却にも大きな影響が出ることになります。

仮に保険が満額下りなかったら、どうなるのか。近々で発生する入居者さんへの補償金はどう都合するのか、入居が付かない期間の元利払いはどうなるのか、と考えると背筋が凍ります。

 

今、冷静に考えてみると、あの時に厳しいと感じた支店長の言葉や融資をしないという判断は、結果的に当社を大きな損害から未然に守ってくれることになりました。

物件の評価などは関係ない、本件に融資すべきかどうかというバンカーとしての判断だったのだろうと思います。

つくづく、当社は金融機関さんの融資・アドバイスといった協力のおかげで成長させていただいていると感じます。これは、本当にありがたいことです。

 

物件購入を考えている投資家さんは、投資物件として条件が整っていればどんどん買っていきたいと考えている方も多いのではないでしょうか。

こういうタイミングでは、どうしても回りが見えにくくなるものですが、収益物件は積算や収益評価がでていればいいというものではない、ということもあるのだと理解していただけたらと思います。

 

みなさまの投資の一助になりましたら幸いです。

 

※無料コンサルティングについて※
弊社では、毎日1-3名限定で面談を行っております。
収益物件購入・売却を検討されているお客様は、お気軽にお問合せページよりご連絡くださいませ。