こんにちは、マーブルの高野です。
フィデューシャリー・デューティー(Fiduciary duty)
投資家の皆様は、この用語をご存じでしょうか??
おそらく、金融関係に従事されている方は最近良く耳にされている事かと思います。
金融庁の森長官により一躍有名になった言葉のように思いますが、以前は「善管注意義務」などと意味不明な和訳がされていた言葉です。
より現実的に、(資産運用会社においては)「受託者による投資家に対する責任」といった意味合いが強いと思います。
これ、私の立場では本当に重要なことだと感じます。
私自身、10行を超える銀行から収益物件購入の融資を調達しているため、まぁそれはそれは、銀行さんからの依頼で色々なお付き合いを経験しておりますw
ある銀行からは極度額が500万を超えるカードローン作成や、年会費が10万円以上もするブラックカード作成を頼まれたり、
別な銀行からは、毎月分配型のたこ足配当投資信託や複雑な外貨建て保険商品を勧められたり、まぁよくもこんなに思いつくな、というもののオンパレードです。
他社ではノーロードが普通の投資信託に、購入時販売手数料3%を取っているケース。
保険会社から高額な販売手数料を受領しつつ、顧客にはその旨を開示せずに外債建て保険を販売するケース。
これらのほとんどは、およそ資金を出す投資家のメリットにならない、極論すれば、なんのために存在しているか分からない顧客の損失を生み出す商品予備軍です。
現在、金融庁長官からの問題提起により、これらに本格的にメスが入ろうとしており、金融機関も対応に迫られているようです。
地銀中心に借り入れをしている当社としても、とても期待しておりますw
しかし!!
この問題は金融業界のみの話ではありません。
そうです、不動産業界のフィデューシャリー・デューティー意識の欠如っぷりは、ホント半端ないです。
収益物件の売買では、今まで記事にしてきたような、サンタメ業者が大幅に利益を抜き⇒売主は大損、買主は高値掴み
購入後のアセマネでは、管理会社が顧客の利益等お構いなしに、リフォームやリーシングで多大なフィーを抜き⇒顧客の利益搾取
といった、およそ投資家の利益とはかけ離れたことが平然と行われています。
これは実際にあった話ですが、知人が自宅マンション購入時に、仲介業者に成約事例の一覧をみせてくれと依頼し、レインズデータを見せてもらった方がいます。
成約事例を見た結果、購入する部屋が坪単価が最も安かったということで購入に踏み切りました。
この方は最近になり当物件の売却を考えており、私が改めてレインズチェックしてみたところ、購入時の坪単価より低い取引事例が当時から散見している事が分かりました。
つまり、購入時の仲介が、意図的に単価の安い事例を隠してデータ開示していたということになります。
なぜ、こんなことがまかり通るのでしょうか。
私は、この業界の「情報の非対称性」が収益を生み出す構造に要因があるのだと思います。
不動産売買では、売主・買主ともに、売買物件に「定価」がなく、基本的にはブローカーが提案する「時価」をベースに売買を判断しなくてはなりません。
もちろん、売主・買主が自分で「時価」を判断する力を付けることは必要ですが、
これだけブラックボックスを作りやすい現在の業界、かつ同じモノが2つとしてないため、不動産の適正価格は本当にわからないものです。
私のように、金融業界から不動産に入った人間には、この点が本当に特殊に感じます。
当社も民間企業ですから、売上・利益を上げていかなくてはなりません。
しかし、それ以前に重要なものがあります。
フィデューシャリー・デューティー(Fiduciary duty)
買主である投資家にとっては、融資が付くとは言え、人生の中でも指折りの高額な買い物です。
こういった透明性の低い業界に関わっているからこそ、業者としての考え方は本当に重要なんだなと、
最近のニュース等をみて、再認識しました。
みなさまの投資の一助になりましたら幸いです。
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