やってしまった投資:愛知大型物件<瑕疵担保訴訟編①>

こんにちは、マーブルの高野です。

久々に、やってしまった愛知物件記事の続きですが、瑕疵担保訴訟編として連載します。

 

過去の記事、忘れてしまった方も多いと思いますので、一応リンクを。過去の記事はコチラです。

「やってしまった投資:愛知大型物件 」

「やってしまった投資:愛知大型物件<管理会社の家賃横領、夜逃げ編①>」

「やってしまった投資:愛知大型物件<管理会社の家賃横領、夜逃げ編②>」

「やってしまった投資:愛知大型物件<管理会社の家賃横領、夜逃げ編③>」

 

 

管理会社の夜逃げにより、10月分家賃の大半をとりっぱぐれ、4部屋の空室が発覚し内装代が必要となり、

さらには、忘れたころにかかってくる取得税の支払で、合計600万円をねん出する必要になりました。

 

まいったな、、どうしようかと考えていたところ、変更後の管理会社から連絡がありました。

ちょうどニューヨーク出張中に、夜中に携帯にかかってきた事を記憶しています。

 

A店長「オーナー、大変です。暴風の影響で、屋根防水シートの大半が吹き飛んでしまいました。

 

わたし「??? 屋根?この物件、屋根の修繕が終わっているということで購入しているはずですが。。」

 

A店長「いえ、これは本当にひどいです。今、屋上にスタッフと登って切除作業をしているところです。今、写真を送りますね」

 

届いた写真がこちら

 

 

 

 

わたし「なんと。。これ、、本当にウチの物件ですか?」

A店長「とてもではないが、屋上防水がちゃんとしてあったとは言えませんね。まずは剥離したシートが下に落下して入居者に被害が出ないよう、頑張ってシートを切除して一時対応します」

 

ニューヨークのバーでガンガンビールを飲んでいたところ、一気に酔いが覚めました。

ただ、遠方どころか海外にいるためできる事が限られるなか、まずは物件を販売した仲介会社に電話でヒアリングすることにしました。

 

わたし「あ、Mさんですか。今、海外にいるのですが、先日買った案件で今度は屋上防水が吹っ飛んでしまったようです。写真添付しますので、今後の対応について話しましょう。」

仲介M「あらら、それは大変ですねぇ」

 

この仲介のM氏、40過ぎのおっさんだったのですが、契約時からどうも胡散臭く、信用していいのか分からないタイプの人間でした。

実際、物件を売ってしまった後は、まるで他人事のような対応です。

私がこの物件を購入した当時は、今ホットな中間省略による第三者のための取引が少しずつ流行り出した時期でした。本件も、同様のスキームにより融資付けとセットで販売されたものだったので、当然ながら売主の瑕疵担保はついているものと考えておりました。

また、購入時のメールを検索すると、やはり次のような内容のメールが見つかりました。(一部編集してますが、ほぼ原文です)

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高野様

平素は大変お世話になっております
なかなか面白い、りそな・みずほ物件をご紹介出来ず
誠に申し訳ないです
本日はBank4.5案件ですが〇〇市にて未公開物件が出ましたのでご紹介させていただきます
【物件概要】
物件価格は〇〇万円ですが、▲▲万円まで内々ですがほぼ了解はいただいております
利回り:約16%
融資に関しましてはBank4.5融資額については、■■万円まで、
融資年数は年とこちらも内諾を頂戴しました
物件自体は決して新しくはありませんが、修繕は昨年屋上防水を完璧に行っております
土地も広く、積算もたっぷり超えてきております
賃貸需要ですが、近隣工場地帯によりファミリー、シングル共に需要は満載です
見てみてください

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わたし「いや、他人事ではなく、修繕がしっかり終わっていたという屋上防水が吹っ飛んでしまったんですよ。これ、防水は完璧に終わっていると言っていましたよね。さすがにこの被害は御社負担で直してください」

仲介M「はい、修繕済みと聞いていましたが、困りましたねぇ。」

 

後日、仲介会社に対応を確認したところ、とんでもない回答が待っていました。

仲介M「屋根の修繕の件なんですが、結論から言うと仲介の当社(D社)では負担できないです。社長からもそのように言われました。」

わたし「はい?? 冗談ですよね。これ、御社の関連会社(E社)から買った案件ですよ。」

仲介M「いえ、本件の売主はあくまでE社でして、当社とは関係のない会社です。契約書も、瑕疵担保期間は購入後3か月となっておりますので、既に10か月以上経過しているので適用外です」

わたし「ふざけるのもいい加減にしてください。E社はただの実態のない中間省略するための法人で、実際はD社ですべてコントロールしているじゃないですか。実際、契約時にはD社の宅建士がその場でE社の印鑑を押していたじゃないですか。法人名だって、ほぼ似たような名前になっていますし、関係ない等とは言えるわけないですよね。」

 

この段階で、ようやく悪質な業者に引っかかってしまったということが分かりました。

このD社(宅建会社)は、中間省略して利益を取るための法人を別につくり、住所・代表者を外部の人間にすることで、あくまで売主は宅建業者ではないと言い張り、瑕疵担保責任を免れようとしていたのです。

今、不動産業者になった立場で見ると、この会社がいかに用意周到に逃げ道を用意しているのかよくわかります。

 

屋上防水の修繕見積もりは約700万かかる事が分かりました。7F建ての物件だったので、足場代が400万と高額なのですが、それにしても大きな出費です。

この出費について、何度かM氏と話しましたが、まったくの平行線のため、社長から電話をもらうように言いました。

 

D社社長「あー、オーナーさんですか?今回は大変でしたね。」

わたし「大変なのは仕方ないのですが、屋上防水の修繕は御社の負担で行って下さい。さすがに10か月でこれでは話になりません」

D社社長「いや、さすがに中古物件ですから、こういうこともありますよ。こんなのはただの経年劣化ですよ。ウチでは負担できません

わたし「しかし、引き渡し時に防水は完璧に終わっていると言っておいて、経年劣化はないですよね。」

D社社長「あなたね、この業界の常識何もわかっていないんですね。あなた以外にも買いたい人いっぱいいたんですよこの物件。こんな経年劣化の修繕費用を持てなんて言う人に売るんじゃなかったです。訴訟でもなんでもしてください。どうせ結果はみえてますけどね

 

と、一方的に電話を切られてしまいました。

うーむ。。なんという対応か。大学を卒業して、サラリーマンになって以来、基本的には大企業同士のビジネスがほとんどだったので、こんな会社があること自体が驚きでした。

個人向けの収益物件を扱う会社のモラルの低さを痛感しました。

 

通常の投資家でしたら、本業も忙しいですから、ここであきらめて自分の保険で負担する判断をする人も多いと思います。

この社長も、きっと高圧的に出れば投資家は泣き寝入りするものだとタカをくくっていたんでしょう。

 

しかし、この業者は社長の言う通り、売った相手が悪かったですね。

この社長のふざけた対応にスイッチが入った私は、もちろん訴訟することに決めました。

 

記事を書きながら、そういえば当時、半沢直樹のドラマが流行っていたのを思い出しました。

 

「やられたら、倍返し!!」  

 

うまくいくか、作戦開始です。

 

つづく

 

それにしても、私も投資の初期は色々な失敗をしたなと改めて思いました。

こういった経験があるから、当社のお客さんに色々と生きたアドバイスができると思うと、いい勉強だったと思います。

かぼちゃの馬車や新築木造の企画商品、業者の中間省略案件に手を出そうとする投資家さんは、本当にご自身が買うモノの本質を理解できているでしょうか。

一見見栄えのいい、派手なものの裏にあるカラクリを理解出来ているでしょうか。

 

みなさまの投資の一助になりましたら幸いです。

 

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