【ケース分析】セグメント①地方×重量物件 延長編

こんにちは、マーブルの高野です。

今回は、前回の続きで【ケース分析】セグメント①地方×重量物件 延長編です。

 

さて、三重県の高利回り1.3億円RCは、20年保有して口座に残る金額が約2,200万円程度にしかならないことが分かりました。

では、本物件は見送ったほうが宜しいのでしょうか。

結論から言いますと、私は、本件は投資適格な物件と思います。

 

収益物件を融資を調達して購入する以上、ある意味、いかに残債を減らして純資産を増やすかというゲームです。

つまり、期中のCFの多可を競うのではなく、売却までを見据えた上で、最終的に手元に残る金額を考えることが大切です。

 

本物件は、地方の築古RCではあるものの、積算評価1.7億円(建物1.25億、土地0.46億円)、利回り13.7%と高積算かつ高利回り物件のため、

数年間運営して返済実績を積むことで既存借入銀行との金利交渉や、より条件の良い他行での借り換えの可能性が高い確率で見込まれます

 

仮に、Yr5で3%のレートダウンを勝ち取り金利1.5%となった場合の収支は下記の通りです。

NOIまでの数字は全く変わりませんが、その後は大きく異なります。

Yr5以降は、NCFで毎年350万円以上手元に資金が残り、最終的にYr20の売却時には約5,000万円が手元に残る事になります。

Yr19には残債が土地路線価以下まで減りますので(路線価が下がらないことを前提に)、Exitの可能性がさらに高まります。

 

ローンの元利払いと、ネットデッド(=ローン残債-今までにたまった現金)の変化をグラフにすると、その違いが良くわかると思います。

緑のラインのネットデッド(便宜上マイナス表記にしてありますが)は年々ゼロに近づいていき、売却時のキャピタルゲインが入り利益確定となります。

まずは、先日ご説明したケースです。

 

元利合計で毎年約970万円程の支払となっておりますが、当初10年間は元金よりも金利割合の方が圧倒的に大きいことに気が付きます。

特に当初数年間は、実に元金の約2倍もの金利を払うことになります。これが、長期借入の元利均等返済の恐ろしいところです。

期中の返済比率やCFも重要ではありますが、銀行がなぜこのような貸し方を勧めてくるのかという視点で見ると、本当に抜け目がないと思います。

 

次に、本日掲載したYr5で金利1.5%に交渉成立したケースです。

先ほどのケースとの違いに驚くのではないでしょうか。元利合計の支払額が約700万円になったことにより、期中のCFがラクになり、

かつ、売却時に残る金額が当初ケースの2倍以上の約5,000万円となります。

 

こうなれば、本件投資で勝てる確率はだいぶ上がっていると実感できると思います。

 

いかがでしょう。

金利見直しのインパクトは、皆様が想像していたよりも大きかったのではないでしょうか。

 

EntryからExitまでの工程を数字で確認することによって、今とっているリスクは何か、どのようなところに改善の余地があるのか、

期中に何をすべきなのかが見えてくるのではないでしょうか。

 

みなさまの投資の一助になりましたら幸いです。

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